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  • 2015-11-17 技術委員会 > No.34 平成27年度現地検討会を開催しました。
    平成27年10月15日(木)に、技術委員会は平成25~27年度の技術委員会調査テーマである「地域における湿地と恵み」の事例検討のため、現地検討会を開催しました。今回は阿寒湖沼群のうち、ひょうたん沼、太郎湖、次郎湖を視察しました。技術委員である釧路市教育委員会マリモ研究室室長の若菜勇さんに案内をしていただきました。
    まず、ひょうたん沼を視察しました。平均水深が2mに満たない浅い沼で富栄養湖と言われているひょうたん沼は、夏の間は植物プランクトンの発生によって水が濁り沈水植物が少ないそうです。ひょうたん沼の上流側の地形なども含め、若菜委員に解説をしていただきました。
    その後、雄阿寒岳登山口に移動し、太郎湖と次郎湖を訪れました。次郎湖は底泥が巻き上がらないため、黄色もしくは褐色の湖底が透けて見えていますが、次郎湖を水中から見ると水が非常に澄んだ青色をしているそうです。次郎湖から垂直に近い足場を登り到着した場所は、地温1℃未満を観測し、永久凍土がある可能性が大いに高まっている風穴帯です。この風穴帯には北方系の植物が点在していますが、対照的に、白湯山側には本来亜熱帯や熱帯地方に分布する植物が見られます。少しの距離しか離れていないにも関わらず、異なる植物相が観察できるなど、阿寒地域の生物多様性の高さが分かります。また、阿寒地域には湖の遷移過程を実際に見ることができる湖沼群が揃います。また、ひょうたん沼、太郎湖、次郎湖をはじめ、阿寒湖沼群へのアクセスは既に林道及び登山道があるため、調査・研究活動にとって有利であり、学びの場としてもとても有望だと考えられます。
    マリモや温泉のイメージが強い阿寒湖ですが、今後は阿寒湖沼群を軸とした魚類等に係る遺伝子レベルでの調査、アイヌ文化やアイヌの歴史における伝統的な自然観を基調とした物語の構築、環境保全と観光振興との折り合いなどが課題としてあるものの、多様性と可能性を秘めた阿寒湖沼群は、これからも新しい知見がたくさん発見され、その希少性と重要性が明らかになってくると思われます。

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