日本のラムサール湿地
漫湖〜”さらなる保全を求めて”

 南国沖縄県の県庁所在地の那覇市と豊見城村に位置する漫湖(まんこ)は那覇空港から3キロ、国場川と饒波川の合流点の河口に形成されており、市街地に近くマングローブが自生する泥質干潟の湿地としての特質を持ち、シギ・チドリなどの越冬地、中継地として沖縄本島で最大で重要な湿地となっています。
国設鳥獣保護区250haの内58haが平成9年11月に特別保護地区に指定され、これを機にラムサール条約登録への動きが高まり、地元の那覇市、豊見城村の同意を得て沖縄県として登録に向けての要件を整え、平成11年5月、日本では11番目で滋賀県以西では初めてのラムサール条約への登録湿地として認証されました。 
 国内の他の登録湿地に比較して漫湖は都市部に隣接しているため上流も含め、ゴミの流入や不法投棄等により河川内や護岸にゴミが目立ちます。これを改善するための漫湖のクリーンアップとして「漫湖チュラカーギー(美人の意)作戦」を「国場川水あしび実行委員会」を中心に広く県民に呼びかけて漫湖の清掃活動と啓発活動を実施しております。
さらにマングローブの繁茂や陸地化の進行により干潟が減少するという憂慮すべき現象も生まれていることから、県においてはこれらの課題解決のため、庁内環境部門と開発部門の関係課で組織する「漫湖鳥獣保護区保全連絡協議会」を設置し、漫湖干潟の保全に努めており、また、国場川流域の市町村で構成する「国場川水系環境保全推進協議会」やNGOとも連携を図りながら漫湖の保全に努めていきたいと考えています。
 平成12年10月には国際会議「渡り性水鳥とその生息地保全に関する沖縄ワークショップ(主催:環境庁、豪州環境省、国際湿地保全連合アジア太平洋支部、共催:沖縄実行委員会)が那覇市で開催され、沖縄実行委員会としても歓迎レセプション、エクスカーション、市民シンポジウム等を開催し、諸外国の方々と交流を深めることができました。
 環境省においては漫湖に「水鳥湿地センター」の整備も進めており「ワイズユース」の原則のもとに、クロツラヘラサギをはじめとする野鳥や干潟の観察、研究活動、啓発活動、エコツーリズム等のフィールドとして広く利活用されるためにも“さらなる保全”に努めていきたいと考えています。

沖縄県文化環境部自然保護課

2000年度の主な活動内容

■2月2日(1999年度)
「資源管理とエコツーリズム
−西表島エコツーリズムを軸として−」
■4月4日〜4月8日
インドネシア・カウンターパート研修釧路プログラム
(実施機関:自然環境研究センター)
■4月29日
「国際シンポジウム 湿地とサンショウウオの関わり」
■5月25日
KIWC理事会・総会
■6月7日
「シンポージオ 湿地の再生」
■6月26日
第1回KIWC技術委員会議
■7月10日〜8月4日
JICA湿地環境及び生物多様性
保全研修コース

■8月2日〜2001年3月31日
北海道技術研修員受入事業(研修地:霧多布湿原センター)
■8月20日
「湿原をたのしむエコツアー」
■9月11日〜10月15日
JICA自然公園の管理・運営と利用(エコツアー研修コース
■9月23日
「釧路川河川環境観察会」
■9月27日
KIWC技術委員会・JICA研修合同プログラム
■10月16日〜19日
渡り性水鳥とその生息地保全に関する
沖縄ワークショップ参加
■2001年1月13日
「釧路湿原SLエコツアー」
■2001年3月24日〜3月29日
UNITAR/KIWC環境法ワークショップ