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  • 2016-11-05 技術委員会 > No.44 平成28年度現地検討会を開催しました
    平成28年10月20日(木)に、技術委員会は平成28~30年度の技術委員会調査テーマである「湿地資源の賢明な利用」の事例検討のため、現地検討会を開催しました。今回は浜中町霧多布琵琶瀬の対岸約1㎞にある無人島、ケンボッキ島を視察しました。技術委員である霧多布湿原センターの河内さん、NPO法人霧多布ナショナルトラスト 副理事長 瓜田さんに現地を案内していただきました。
    まず、NPO法人霧多布ナショナルトラストの活動について、団体の副理事長である瓜田さんより、観光開発の影響を免れ保全されてきた島の歴史と産業について説明を受けた後、トラストが提供しているケンボッキ島ツアーを実際に体験し、島内を視察しました。 
    ケンボッキ島の利用の記録は、江戸時代末期まで遡ることができ最盛期には7戸~8戸、20人程度が昆布漁を行いながら春から秋まで生活していたという記録があります。1971年から1年間、作家の畑正憲(ムツゴロウさん)が住み、その時の生活の様子を「無人島記」として出版したことから観光客が多く訪れるようなりました。
     その後、島の観光開発の話が持ち上がった際に、浜中町が島を買い上げて利用要綱を設け、現在、コシジロウミツバメやトウキョウトガリネズミといった貴重な野生生物の保全と利用をめざした無人島エコツアーを提供しています。
     視察終了後、法人理事長の三膳さん、瓜田さんを交え、当技術委員との意見交換を行いました。各委員からは、馬の放牧のための牧柵や廃屋、轍など人間生活の痕跡が見られる島を視察した後に「保全に係る島と人の歴史や団体が目指す保全活動の将来構想や理念を伝えることでより魅力的なエコツアーになるのではないか」といった提言や、「子供や親子を対象とした次世代育成型のエコツアー」、「子供向けの磯遊びツアー」、「地元の産業の紹介を盛り込んだツアー」の提案といった活発な意見交換がなされました。