「湿地(ウェットランド)」は、読んで字のごとく「湿った場所」、つまり水のある場所を指す言葉です。湿地を守るための条約「ラムサール条約」では、湿原や湖沼、干潟などの他に、ダムや水田のような人工の場所、地下水のたまった鍾乳洞、サンゴ礁など6m以下の海域に至るまで、実に42種類もの湿地のタイプがあげられています。
生き物にとって不可欠な水のある場所・湿地には、さまざまな動植物が育ち、集まります。湿地は私達の暮らしに水をもたらすだけでなく、湿地に生きる動植物からの恵みも与えてくれます。
などが挙げられます。
また、
のような形で、喜びや感動をもたらしてくれます。
さらに最近では、湿原の洪水調節機能や気候調節作用、干潟やサンゴ礁の海水の浄化作など、スケールが大きすぎて気がつきにくい「湿地の恵み」も明らかになってきました。
人間は昔から、水辺を中心に暮らしを発展させてきました。長年の湿地とのかかわりは、その土地の風習や生活の知恵、信仰などの文化に大きな影響を与えてきました。これも湿地がもたらす恵みのひとつといえるでしょう。
ラムサール条約の目的は、このような湿地の恵みを、いつまでも得ることができるようにすることです。そのためには、湿地を守りつつ、壊さないようにうまく使う(ワイズユース)工夫や取り組みが必要です。