トピックス

  • 2015-11-26 一般向けの活動 > No.35 世界湿地の日記念「冬のエコツアー2016」参加者募集!
    世界湿地の日とは、1971年2月2日にラムサール条約が採択されたことにちなんで定められた記念日です。毎年この日を記念して、世界中で湿地の恩恵や価値を再認識し、その維持と賢明な利用を目指すイベントが開催されています。
    釧路国際ウェットランドセンターも世界湿地の日を記念して、「冬のエコツアー2016」を開催します。
    道標のない雪に覆われた釧路湿原のシラルトロエトロ川周辺を探検した後、ワークショップを行います。ワークショップのテーマは「宝探し」ですが、皆さんがイメージする宝探しとは少し違うものかもしれません。
    ご案内と解説は、釧路国際ウェットランドセンター技術委員長の新庄久志さんです。
    ぜひ、ご家族やご友人と一緒にご参加ください。

    *詳しくはチラシをご覧ください。

    日時 平成28年1月30日(土) 8時30分から15時30分まで
    集合・解散 釧路市役所
    定員 20名(応募多数の場合抽選)
       *小学校高学年以上(小学生は保護者同伴)、積雪した湿原を約2時間歩ける方
    参加費 無料
    申込期間 平成27年12月1日(火)~12月15日(火)
    申込方法 釧路国際ウェットランドセンター(0154-31-4594)までお電話ください

  • 2015-11-17 技術委員会 > No.34 平成27年度現地検討会を開催しました。
    平成27年10月15日(木)に、技術委員会は平成25~27年度の技術委員会調査テーマである「地域における湿地と恵み」の事例検討のため、現地検討会を開催しました。今回は阿寒湖沼群のうち、ひょうたん沼、太郎湖、次郎湖を視察しました。技術委員である釧路市教育委員会マリモ研究室室長の若菜勇さんに案内をしていただきました。
    まず、ひょうたん沼を視察しました。平均水深が2mに満たない浅い沼で富栄養湖と言われているひょうたん沼は、夏の間は植物プランクトンの発生によって水が濁り沈水植物が少ないそうです。ひょうたん沼の上流側の地形なども含め、若菜委員に解説をしていただきました。
    その後、雄阿寒岳登山口に移動し、太郎湖と次郎湖を訪れました。次郎湖は底泥が巻き上がらないため、黄色もしくは褐色の湖底が透けて見えていますが、次郎湖を水中から見ると水が非常に澄んだ青色をしているそうです。次郎湖から垂直に近い足場を登り到着した場所は、地温1℃未満を観測し、永久凍土がある可能性が大いに高まっている風穴帯です。この風穴帯には北方系の植物が点在していますが、対照的に、白湯山側には本来亜熱帯や熱帯地方に分布する植物が見られます。少しの距離しか離れていないにも関わらず、異なる植物相が観察できるなど、阿寒地域の生物多様性の高さが分かります。また、阿寒地域には湖の遷移過程を実際に見ることができる湖沼群が揃います。また、ひょうたん沼、太郎湖、次郎湖をはじめ、阿寒湖沼群へのアクセスは既に林道及び登山道があるため、調査・研究活動にとって有利であり、学びの場としてもとても有望だと考えられます。
    マリモや温泉のイメージが強い阿寒湖ですが、今後は阿寒湖沼群を軸とした魚類等に係る遺伝子レベルでの調査、アイヌ文化やアイヌの歴史における伝統的な自然観を基調とした物語の構築、環境保全と観光振興との折り合いなどが課題としてあるものの、多様性と可能性を秘めた阿寒湖沼群は、これからも新しい知見がたくさん発見され、その希少性と重要性が明らかになってくると思われます。

  • 2015-11-13 姉妹湿地 > No.33 姉妹湿地提携更新の再調印を行いました。
    釧路湿原、霧多布湿原、厚岸湖及び別寒辺牛湿原とオーストラリアのハンター河口湿地は、湿地の保全とワイズユースで連携することを目的に、1994年に姉妹湿地の提携を行いました。2004年に再調印が行われ、2015年11月6日(金)に、提携の更なる更新がオーストラリアで行われました。
    KIWC理事長である蝦名大也釧路市長がニューサウスウェールズ州・ニューカッスル市を訪問し、同市のマイケル・オズボーン副市長、ポートスティーブンス市のブルース・マッケンジー市長とともに提携更新書にサインし、引き続き湿地の保全のために連携していくことを確認しました。
    また、翌日には湿地の再生事業を行っている団体を訪問し、施設の敷地内で記念植樹を行いました。

  • 2015-11-13 一般向けの活動 > No.32 「みんなで調べる復元河川の環境・2015秋」を開催しました。
    平成27年10月24日(土)に「みんなで調べる復元河川の環境・2015秋」を開催し、釧路川の蛇行復元河道から自然河川に続く「茅沼~スガワラ」間(約5.5km)をカヌーで下りながら、河岸の植生や河畔の景観、動植物などを観察しました。途中で2か所の砂州に上陸し、洲の大きさや地層を調べました。途中雨が降ってきたため、一部の調査と観察を省略し、参加者同士が協力し合い力いっぱいカヌーをこぎ、下船地を目指しました
    下船後は、調査でわかったことや気付いたことをまとめました。天候不良のため、カヌーで釧路川を下っているときの気づきや感じたことを記録することが難しいと思われましたが、参加者からは「ミンクの穴があった」「川の合流地点で、それぞれの河川の川の色が違った」など、次々と報告がありました。
    この調査活動は2010年から毎年夏と秋に行っており、年々、蛇行が復元されたことによる効果や影響がわかってきています。今では、リピーターである地域住民の皆さんが中心となり調査を積極的に引っ張ってくれています。今回新たに参加してくれた皆さんにとっては、復元河川という川を視点に、釧路湿原の環境保全について考える貴重な機会になったようです。

    なお、当初は9月13日(日)に開催予定でしたが、荒天のため10月24日(土)に開催を延期しました。
    また、この調査活動は、公益財団法人河川財団による河川整備基金の助成を受けています。

  • 2015-11-13 国際協力 > No.31 JICA課題別研修「自然・文化資源の持続可能な利用(エコツーリズム)(B)」研修を実施しました。
    2015年9月7日(月)から10月12日(月)まで、カンボジア、フィジー、ガボン、レソト、パプアニューギニア、ソロモン諸島、スリランカ、ベトナム、ジンバブエの9カ国から、観光振興や野生生物保護に携わる行政官やNGO職員10名が参加しました。
    この研修の目的は、地域の自然・文化資源の保全とその持続的利用を可能にするツールとして、地元住民が参画するエコツーリズムの施策を学ぶことです。国際協力機構(JICA)北海道国際センター(帯広)から当センターが研修を受託し、実施しています。
    研修員は然別湖、清水町、霧多布湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原、釧路湿原を訪れ、地域住民が携わる環境や野生生物に配慮したツアーを体験し、農業や牧畜、漁業などの地域産業を、そこに住む地元住民が観光に活かしながら運営している事例について学びました。
    その後、北海道から東京、千葉、京都へ移動し、日本の伝統文化や史跡、里山など、日本の歴史や文化からエコツーリズムの視点を学ぶプログラムを受講し、エコツーリズムの理論・施策に関する講義を受けました。さらに、沖縄では地域住民の視点や経験を活用したエコツーリズムについて、シーカヤックなどの体験を通じて学びました。
    研修員全員は「日本は大変素晴らしい国であり、とても貴重な時間を過ごすことができた」と日本滞在中の体験や経験を絶賛し、帰国の途に着きました。