トピックス

  • 2014-07-23 国際協力 > No.13 JICA「地域における生物多様性の保全と持続的利用」研修を実施しました
    2014年5月26日(月)から7月8日(火)まで、コスタリカ、メキシコ、マレーシア、ウガンダの4か国から7名の行政官が日本を訪れ、湿地の生物多様性の保全と持続可能な利用について研修を受けました。
    この研修は環境省の協力によりJICA(国際協力機構)が主催するもので、当センターが受託者として実施しました。コースとしてはこれで3回目となります。
    研修員は東京を皮ぎりに、沖縄、富士吉田、宮城、北海道へと場所を変えながら、湿原から干潟、サンゴ礁、河川、水田まで多様なタイプの湿地について、保全の取り組みや産業・教育への活用の工夫などを学びました。ラムサール条約湿地の漫湖、蕪栗沼(宮城県)・周辺水田、釧路湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原、霧多布湿原など、各地で保護活動の担い手や住民、行政関係者と直接対話し、保全に至る経緯や湿地の特色を活かした地域おこし(農水産物のブランド化や観光への利用、環境教育など)の事例を紹介してもらいました。研修プログラムの中には、北海道標茶高校の生徒自身の解説による釧路湿原自然再生プロジェクトの視察や、浜中町立茶内小学校と合同の霧多布湿原探索、漫湖水鳥湿地センターでの環境省と那覇市、豊見城市の職員とのワークショップなども含まれ、子供達から専門家まで、湿地に関わるあらゆる方々の協力を得て、講義や実習、討論が行われました。
    このような様々な体験を元に、研修員はそれぞれ自国の湿地・生物多様性の保全と持続的な利用を進めるために帰国後行う取り組み案を作成し、研修の最後に発表しました。

  • 2014-05-27 一般向けの活動 > No.12 「みんなで調べる復元河川の環境・2014夏」参加者募集!
    標茶町茅沼地区を流れる釧路川の直線流路が、釧路湿原自然再生事業として2010年に再蛇行化されて以来、KIWCでは毎年2回、市民の皆さんと一緒に環境調査を行ってきました。今年も7月13日に第1回目の調査を行います!
    専門家の指導のもと、水辺の生き物、植物、岸の地形や地層の調査を行い、川が本来の流れに戻ったことで、水辺の環境がどのように変わってきているかを調べます(詳しくはチラシをご覧ください)。
    小学生以上ならどなたでも参加できます。関心のある方はぜひ下記までご連絡ください。お待ちしています!

    日 時: 2014年7月13日(日)8:30~14:30(釧路市役所前集合・解散)
    場 所: 標茶町茅沼(釧路川左岸)
    募集人数: 20名
    参加申込: 6月20日までに電話0154-31-4594(KIWC事務局)へ

    *このイベントは公益財団法人 河川財団の助成を受けています。

  • 2014-03-31 出版物 > No.11 KIWCニュースレター2014を発行しました
    2013年度の活動をまとめた「KIWCニュースレター2014(日本語版)」を発行しました。
    日本全国の湿地保全にかかわる自治体やNGO、研究機関などに送付しています(A4版カラー4ページ)。ホームページからも閲覧可能です。
    入手をご希望の方には無料で差し上げますので、当センターまでご連絡下さい。

  • 2014-02-20 一般向けの活動 > No.10 市民環境調査「みんなで調べる復元河川の環境」報告会を開催しました。
     2014年2月20日に釧路市交流プラザさいわいで、2010年から4年間の市民環境調査の成果を発表する報告会を開催し、調査に参加した市民など50名が出席しました。
     釧路川茅沼地区の旧川復元事業について、国土交通省釧路開発建設部治水課の秋山泰祐課長がビデオやスライドを用いて説明後、KIWCがこの事業地周辺で実施した環境調査の概要や、その結果を報告しました。調査を指導した専門家もコメントを添え、釧路川の蛇行復元後、茅沼地区では川の浸食・堆積などの作用により川岸や川底の地形が変化し、多くの生き物が生息しやすい環境が作られつつあることが確かめられました。
     会場では参加者と、進行の新庄久志さんや専門家らとの意見交換も行われ、参加当時の感想や、今後の調査への提案など、多くの声があがりました。

  • 2014-02-01 一般向けの活動 > No.9 世界湿地の日記念「冬のエコツアー2014」の実施
     世界湿地の日(2月2日、今年のテーマは「湿地と農業」)にちなみ、2014年2月1日に市民対象のエコツアーを実施しました。釧路湿原に生息するツル・タンチョウと農業とのかかわりを知るため、21名で鶴居村を訪れました。
     地元でタンチョウの保護活動団体「タンチョウコミュニティ」代表の音成邦仁さんの案内で、はじめに冬の給餌場に集まる野生のツルや、ねぐらの川を観察しました。次に釧路湿原に接する農場を訪れ、酪農家の藤原秀達さんから、農場に飛来するツルについてお話をうかがいました。国の天然記念物で、観光客に人気のタンチョウですが、農家にとっては畑を荒らしたり、牛舎に侵入して牛の餌を失敬する困り者でもあると、実際に農場を闊歩するツルを目の前に説明していただきました。
     最後に、タンチョウコミュニティが農家とツルをつなぐ活動として実践しているツルの餌作りに挑戦しました。ツル用に栽培したデントコーンをほぐし、参加者全員からのメッセージを添えて給餌場へ託しました。
     農業被害のほかにも電線への衝突など、ツルと人との間にさまざまな軋轢が生じていますが、ほとんどの参加者には初めて知る現実でした。ツアーはこのような人々にとって、釧路湿原を象徴するタンチョウと人との共生について考える、最初の一歩となりました。